ハチミツの疑問解決! 普通のハチミツと生ハチミツの違いとは

ハチミツの疑問解決! 普通のハチミツと生ハチミツの違いとは

普通のハチミツは低温加熱されている

お客様から一般的なスーパーや量販店で売られている普通のハチミツと、生ハチミツは何が違うの?と良く聞かれます。

簡単にいうと、普通のハチミツは蜂の巣から採りだしたハチミツを低温加熱して殺菌消毒したもの、一方、生ハチミツは蜂の巣からハチミツを採りだしただけのもの(加熱しないもの)です。

ハチミツとはミツバチが自然界の草花から花蜜を集め、巣内でそれを濃縮したものですから、ハチミツの中には自然界に存在するさまざまな微生物が含まれています。

そのハチミツを空気にさらして常温で放置しておくと微生物が活動しますので、彼らが糖分を分解する工程として発酵するのです。

生産者である養蜂家の立場としては、本来であればお客様にそのままの生ハチミツの状態でお届けたいところですが、現実的には難しいのが実情です。
 

発酵リスクに対処するためにハチミツを低温加熱する

通常、商品を展示している店頭では空調設備か稼働していますので、常時20℃〜25℃くらいので温度になっています。

人間にとっては快適な温度ですが、微生物にとっても活動できる温度です。

そうなると、せっかく瓶に詰めた生ハチミツが瓶の中で彼らによって分解され発酵が進んでしまいます。

発酵が進むと瓶内の圧力が高まり瓶からハチミツが漏れ出したり、蓋の開封時に爆発してしまう可能性があるので危険です。

また、発酵により(実際には結晶化も同時に起こる)ハチミツの外見も変化してしまうため、店頭に置く商品として生ハチミツは非常に扱い難い商品となります。

生ハチミツが発酵食品であることを知らないお客者に敬遠されるどころか、時にはお客様からの苦情が来るということも実際に何度かありました。

生産者としてはこのような発酵リスクに対処するため、低温殺菌を行い、生ハチミツの発酵を止めざるえないのです。

私があるハチミツ生産者に尋ねたところ、約60℃の温度で湯煎することで殺菌消毒しているとのことでした。

発酵したハチミツ
発酵が進むとハチミツの外見も悪くなる

低温加熱は生産者にとってメリットがある

つまり、生産者にとっては物流(生産現場〜商品棚までの間)という観点で、低温殺菌することに大いにメリットが生じており、普通のハチミツは低温殺菌されていることが殆どなのです。

その代わりにハチミツに本来含まれている自然界の微生物や酵素などは破壊されてしまいますので、ハチミツを生のままで食べたいというお客様にとっては、なかなか生ハチミツが入手できないという状況になっているのが現状です。

また、個人的な見解ですが、発酵すると味も少なからず変化しているように思います。

人によっては発酵した方が美味しいという方もいますので、善し悪しを断言することは不可能です。

 

左が生ハチミツ、右が低温加熱後のハチミツ
左)加熱前の結晶化した生ハチミツ、右)低温加熱後のハチミツ。低温加熱すると、ハチミツらしい色合いになり、発酵しない。

 

もう一つの低温加熱のメリットは保管コスト

生産者にとってのハチミツを低温加熱するメリットはもう一つあります。

それは保管コストが掛からない点です。

一度、低温殺菌してしまうと常温のまま長期間在庫保管できますが、生ハチミツだと冷蔵庫での保管が必須になります。

特に、夏場の冷蔵保管は避けられません。

多くの在庫を抱えるためには冷蔵庫を維持するコストが発生します。

このような事から、ハチミツは低温加熱が主流になっているようです。

生ハチミツを食べたいというご要望はたくさんある

先にも述べましたが、生ハチミツを低温加熱することで生産者にとってリスク回避やコスト削減の面でメリットが大きいとお伝えしました。

しかしながら、生ハチミツを食べたいというご要望があることは事実です。

実際、お客様の前に生ハチミツと低温加熱されたハチミツを提示すると、殆どの方が生ハチミツを選びます(外国の方は違う反応を示すかもしれない)。

しかし現状、お客様のご要望に多くの生産者が対応できていないということが事実だと思っています。

この状態を解消するには、今までのような低価格で大量生産・大量消費を成立させるために構築してきた物流を見直し、消費者と生産者である養蜂家が直接繋がることが一番だと思っています。

JBeeFarmのハチミツは全て生ハチミツ

JBeeFarmでも生ハチミツを夏場に店頭に置いた結果、発酵が進んで瓶の中からハチミツが溢れだす失敗をした経験が何度もあります。

そのような失敗から低温加熱したハチミツの販売も一時行っていましたが、やはり自分が食しているものと同じ状態でハチミツをお客様に届けたいとの思いから、現在は生ハチミツだけの取扱とさせて戴いています。

秋に採取したハチミツは冬場は冷暗所で常温保管してお客様へ商品をお届けしていますが、春に採取したハチミツについては、夏場は常時冷蔵保存し、発送の際はクール便にて発送しています。

生ハチミツなので、なかなか取扱が難しい商品ではありますが、生ハチミツをご所望の方は是非、JBeeFarmをお試しください。

ちなみに、セイヨウミツバチのハチミツでも低温加熱されたものもあれば生ハチミツもありますので、生ハチミツをご購入したい場合は直接養蜂家さんにお尋ねしてみたら良いかと思います。

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