ミツロウってなんだろう?

ミツロウってなんだろう?

ニホンミツバチの蜂の巣からはハチミツ以外に副産物としてミツロウが採取できます。ハチミツは皆さんご存じだと思いますが、ミツロウってなんなのでしょうか?

蜂の巣に残った蜜を集めるニホンミツバチ

ミツロウとはミツバチが体内でつくり出す動物性の油で天然由来

ミツバチは春から秋の活動期に自分達が作った巣の中にハチミツを貯蔵して生存していますが、その巣を構成している主な成分がミツロウです我々人間で置き換えてみると自宅の家の建材(木材やコンクリート)がミツロウということになります。ミツバチ達は自分達の家の材料まで自分達で作り出しているすごい生き物なのです。

採取したばかりのニホンミツバチの巣の断面図
蜂の巣から一部を切り出した状態
中に蜂の巣がたっぷりと含まれている
蜂の巣だけが残った巣
ハチミツが空となり、蜂の巣だけが見えている状態
主にミツロウで構成されている

ミツロウの成分はミツバチが自分達の体から分泌した動物性の油分であり、その油分をミツバチ達が捏ねてハニカム構造の蜂の巣を形成していくのです。ミツロウは昔からヨーロッパの教会などではロウソクの原材料などに使われていました。

ミツロウはハチミツ生成の副産物

ミツバチは自然界から集めてきた花の蜜を巣の中に貯め、それを乾燥させて花蜜が十分な糖度まで上がると巣の開口部をミツロウで蓋をし密閉してしまいます。ミツバチが蓋をするとハチミツの完成です。それはミツバチにとっては保存食となりますが、養蜂家はそのようなミツバチ達の貴重なハチミツをミツバチの生活に支障が出ない程度に分けてもらいます。その際に巣からその一部を切り出して、沪過を行い、ハチミツとそれ以外に分離します。そして、蜂の巣からハチミツを取りだした後の残りカスを我々は「巣屑(すくず)」と言いますが、巣屑の中にはミツロウ以外にもいろいろな不純物が含まれています。その不純物を取り除く沪過工程を終えたものがミツロウとなります。

精製されたニホンミツバチの蜜蝋
精製されたミツロウが完成する

ミツロウをベースとして様々なオリジナル製品が作れる

では、ミツロウを使ってどのようなものに応用できるのでしょうか?純度100%のミツロウは非常に固い状態なので、そのままではなかなか使い道がありません。
そこで、ミツロウと植物製の油を混ぜて柔らかくしたものに、自分好みのエッセンスオイルを加えたりすることでリップクリームや肌用クリームとしてもご利用できます(クリームを販売するには製造許可が必要です)。

また、同じように植物製の油と混ぜることで自分だけのミツロウキャンドルの製作や、最近ではサンドイッチやお野菜などの食材などを包む為のラップ(ミツロウラップ)をDIYで製作することができ、オリジナルの雑貨も作れます。近年は、各地でミツロウを使ったワークショップなども開催されていますので、参加されてみると面白いかと思います。

 

ミツロウの製造工程(沪過作業)

以下では蜂の巣からハチミツだけを分離した巣屑からミツロウを精製する工程の流れを説明します。精製の方法は色々ありますが、その一例となります。

取りだした蜂の巣からハチミツを取り除くと巣屑となる

蜂の巣からハチミツを分離すると、巣屑(巣のカス)が残ります。

 

お鍋に巣屑を投入している様子。

巣屑がドロドロに溶けるまで溶かします。ミツロウと不純物が混ざっているため、大きな不純物を取り除くために、一次濾過を行います。

一次濾過後のミツロウです。ほぼミツロウだけの状態だが、ゴミは少し残っているため、この後二次濾過を実施します。

二次沪過終了後、ミツロウが溶けている状態で型に流し込み、常温に冷やすと綺麗なミツロウが完成します。

 完成したミツロウ。JBeeFarmではニホンミツバチのミツロウも取り扱っています。

ブログに戻る

コメントを残す